前で歩幅を作ろうとしていないか?

  • 2018.09.14 Friday
  • 20:09

 

 

平成30年9月3日 読売新聞掲載

 

 

 

昨年に引き続き、今年も読売新聞に掲載して頂きました。

 

 


前回は関東版でしたが、今回は山形の地域版での掲載だったため、役場を含む、地元の方々に見て頂くことができ、非常に嬉しく思います。

 

 


この一年間は、記事の更新や運営が中途半端になってしまうなど、苦しい時期もありましたが、このように評価して頂けるとやはり続けてきて良かったなぁと改めて実感します。

 

 


今後も、より多くの方に読んでいただけるような記事を書けるように一層精進していくとともに、競歩の普及・強化に携わっていきたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願い致します。

 

 

 

 

 

では、本日の記事です。

 

 


毎週の練習会で動きづくりを行っていますが、見ていると多くの選手が、足を前に出して前に進もうとしているように感じます。

 

 


確かに、「前に進むために、足を前に出す」というのは当然のように思えます。

 

 


しかし、競歩動作において、足を前に出すことによって歩幅を作ろうとすると、かえって非効率的な動きになるだけでなく、違反動作にもつながりやすくなってしまい、結果として前に進もうと思えば思うほど、前に進めなくなってしまう、という状態に陥ってしまいます。

 

 


なので今日は、その理由について図を用いながら説明し、どうして足を前に出すことが良くないのか?ということを理解していだだき 、動作を改善する際の参考にしていただけたらと思います。

 

 


まず、足を前に出すことによる問題点は主に3つあります。

 

 


‖が戻ることによる非効率性
▲屮譟璽動作
接地時の前脚が高くなる

 

 


まず、1つめの問題は足を前に振り出しても、接地する瞬間には、結局かかとの位置は足元まで戻ってきてしまう、ということです

 

 


図にすると、このようになります。

 

 

 


このように、足をいくら前に振り出そうとしても、最終的にかかとが接地する位置は、重心の位置(腰の真下辺り)か、 その少し手前になります。

 

 


なので、足をその位置(腰の真下か、その少し手前)より前に振り出したとしても、結局戻ってきてしまうため、気持ちは前に進んでいても身体は前に進んでいない、という状態になってしまいます。

 

 


よって、その分の動作・時間・力は無駄であり、これが足を前に出すことで動作が非効率的になってしまう1つ目の問題です。

 

 


次に、2つめの問題はブレーキ動作を発生させてしまうことです。

 

 


かかと接地をしなければならない競歩において、脚を前に振り出してから接地をすると、ブレーキがかかり、前に進む力が小さくなってしまいます。

 

 


図にするとこのようになります。

 

 



ランニングであれば、足を前に出した際に、つま先接地やフラット接地などの方法で対応できるものの、競歩においては「かかと接地」になるため、動作上、発生したブレーキを処理できません

 

 


また、ブレーキが発生することに伴い、膝や腰にも大きな負荷がかかるため、関節を痛めたり、故障の原因にもなります。

 

 


したがって、これも非効率性を誘発する要因の1つであると言えます。

 

 


最後に、3つめの問題は、足を前に振り出すことによって、接地時のかかとの位置が高くなってしまうことです。

 

 

 

 

これは、ロス・ オブ・コンタクト(浮き)の違反を取られやすい特徴の1つで、審判が浮きの反則を取る際の判断基準として、よく見ているポイントの1つです。

 

 


特に、最近の世界の判断基準として、後ろ脚(離地時)の高さよりも、前脚(接地時)の高さに注目する傾向があるようで、後ろ脚(離地時)が高くなる要因の1つであるキック動作を抑えるよりは、 前脚の高さを低くすることの方が審判に浮きを取られないようにする対策として効果的である可能性が高く、それほど前脚の接地ポイントは重要となっています。

 



以上の3点から、足を前に出す動作は非効率的であり、違反に繋がりやすい上、さらにはケガも発生させる可能性があることから、改善すべき動作であると言えます。

 



長距離選手だった期間が長い選手や、走りの動作が染みついてしまっている選手ほど、足で前に進もうとしてしまう傾向があるように感じます。

 

 


似た部分はあれど、使う筋肉や筋肉の使い方が異なるため、競歩の動作に変換させる難しさがありますが、その違和感が動作と一致したときには、タイムに大きく変化が現れるので、この傾向が出やすい選手は、ぜひとも改善しておきたい部分です。

 



では次回の記事で「どう改善していくか?」について具体的な改善方法を書いていきたいと思います。

 

 

 

では本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

 

 

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支持動作における筋の緊張と脱力について

  • 2018.08.29 Wednesday
  • 20:52

 

 

こんばんは、山田です。

 

 


ありがたいことに、今年も昨年に引き続き、国体に出場させていただけることになりました。

 

 


現状でどこまで戦えるか全く分からない、というのが正直な気持ち ですが、全力で準備し、少しでも全国の猛者に食らいついていけるよう力を付けたいと思っています。

 

 

 

 


では本日の記事です。

 

 


今日は競歩における筋肉の緊張と脱力のポイントについてお話したいと思います。

 

 


みなさんは、普段練習しているときに、全身の筋肉にめいっぱい力を入れて、ガチガチに固めながら歩いているでしょうか?

 

 


また反対に、全身の力をすべて抜いて、どこにも一切力を入れずに歩いているでしょうか?

 

 


ほぼ全員の人が、どちらもNOと答えるのではないかと思います

 

 


というのも、筋肉を緊張させてばかりだと、エネルギーを消費しすぎて疲れてしまい、逆に、脱力ばかりでは力が抜けてしまい、パワーやスピードに変換されなくなってしまいます。

 

 


したがって、重要なのは筋肉を緊張させるポイントと脱力させるポイントを明確にし、 必要に応じて筋肉の緊張と脱力を使い分けることです。

 

 


そうすることによって、より小さなエネルギーで、より大きな力を発揮することができ、効率よくスピードに変換していくことができます

 

 


なので今日は、その緊張と脱力の変化を最も実感しやすい、体重の支持局面における、筋肉の緊張・脱力ポイントについて、図を用いながら説明したいと思います。

 

 


今回は右足に焦点を当てて説明していきたいと思います。(左足も同様)

 

 


まず、競歩の一連の動作をコマ送りにした図に番号( 銑─砲鯢佞韻泙后

 

 

 

 

 

 

∞宿堯船魯爛好肇螢鵐哀垢龍枋ト生


まず初めに、右足が接地するタイミングがなので、その瞬間と同時に臀部〜ハムストリングスの緊張が発生します。

 

 

 


このとき注意したいのが、ハムストリングスを緊張させることによって、かかとでブレーキをかけてしまわないようにすることです。

 

 


というのも、△離織ぅ潺鵐阿芭呂入ってしまうと、そのブレーキ動作が顕著に現れてしまうためです。

 

 


なので、この局面における重要な点は、のタイミングでハムを緊張させる、ということになります。

 

 

 

 

 

緊張状態の維持

 

緊張を開始するポイントが理解できたら、次はどこまで緊張させるか?という点について説明します。

 

 

 


緊張させているポイントは〜イ龍斌です。〜イ離織ぅ潺鵐阿箸いΔ蓮△舛腓Δ病僚鼎腰に乗り、足と腰で体重を支える「 支持局面」になります。

 

 

 

そのため、支持動作と緊張が同時に行われる、という認識を持っていただければ分かりやすいのではないかと 思います。

 

 

 

 

 

Cξ呂粒始

 

次に、緊張局面を終えたら、次は脱力局面に入ります。

 

 


脱力を開始するタイミングはです。

 

 

 

 

 


支持動作が終わると同時にハムの脱力ができると、足の重さと重力によって、後方に支持した足が自然と前に振り出されます

 

 


なので、支持した足は、緊張させて無理やり前に引き戻すのではなく、脱力によって自然と前に引き戻されるような感覚になると良い歩きができます。

 

 


一連の動作をまとめるとこのようになります。

 

 

 

 

 

 

要は、

から緊張が始まり、イ泙廼枋ァ
Δら脱力が始まり、次のが来るまで脱力。

 

 

この2つの繰り返しになります。

 

 


色々と説明しましたが、意識すべきことはこのたった2つなので、 あまり難しく考えず、ハムに意識を置き、緊張と脱力をしながら歩いてみていただければと思います。

 

 


はじめはなかなか意識すること自体が難しかったり、そもそも力が入れられなかったりすると思います。

 

 


しかし、意識している途中で感覚を掴んだり、気付いたら意識せず とも緊張と脱力ができるようになっている、というようなこともあるので、何度も試して感覚を掴めるようになっていただけたらと思います。

 

 


また別の記事で、ハムへの意識付けをしやすいようにするアプローチ方法などについても紹介したいと思っています。

 

 

 

では本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

 

 

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良い流しをするために最も重視していることについて

  • 2018.07.15 Sunday
  • 20:35

JUGEMテーマ:競歩.ウォーキング.など

 

 

 

こんばんは、山田です。

 

 

 

今日は練習会でした。

 

 

 

今回の練習会では、新たに3名の選手が参加してくださり、いつもより活気のある練習会になりました。

 

 

 

練習会に参加する選手は皆、真面目でやる気のある選手ばかりで、私としても一つでも多くの学びや掴みが得られると良いなと思い、毎週取り組んでいるところです。

 

 

 

また、山形競歩の良さの一つとして最近特に感じていることがあります。

 

 

 

それは高校生〜社会人の幅広い年齢層でのコミュニティがあるということです。

 

 

 

高校生にとっては、経験のある先輩のフォームや技術のアドバイスを得られること、

 

 

 

また、親や先生以外の社会人や大学生と関われる機会があるというのは、今後の将来を考えたり、気軽に相談することができるといった上で、非常に価値のあることだと感じています。

 

 

 

また、社会人にとっても、今まで経験したことの話や技術を共有することで、自分たちの存在価値を感じられたり、

 

 

 

高校生や大学生のレベルアップによる緊張感から「負けてられない!」というモチベーションが刺激され、お互いに影響を与え合える良い存在になっているなという感じがします。

 

 

 

高校生は高校生だけ。大学生は大学生だけ。社会人は社会人だけ。という制限された年齢層だけで練習を行うのではなく、

 

 

 

様々な年齢層が関われるコミュニティがあると、お互いの持つ良さが活かされ、競歩の枠を超えて皆が高め合える環境というのが生まれ、それは山形競歩ならではの良さの一つであると感じています。

 

 

 

今後もこのコミュニティを大切にし、皆でより一層のレベルアップを目指して頑張っていきたいですね^^

 

 

 

 

 

では本日の記事です。

 

 

 

以前、高校生から受けた質問の一つとして

 

 

 

流しってどれくらいのスピードでやっていますか?

 

 

 

という質問がありましたので、みなさんにも共有したいと思います。

 

 

 

私は流しをするときに意識を置いていることは

 

 

 

そのペースのまま5000m先(ゴール)まで歩き続けられる感覚で行うこと

 

 

 

です。流しを単なる流しとして行ってしまうと、その短い距離だけ速く歩ければいい、と思って取り組んでしまいがちです。

 

 

 

しかし、試合では100m200mで終了する競歩の試合はありません。

 

 

 

なので、流しを終えたその先のことを見る必要があります。(これは、競歩だけでなく長距離選手にもいえることではないかと思います。)

 

 

 

なので、レース前などで私は、体に「このペースで入るんだよ」と覚えさせてやることを意識しています。

 

 

 

特に、試合という環境下では、練習と同じように入ることが非常に難しくなります。

 

 

 

よくこういう選手がいませんか?

 

 

 

はじめの入りは元気よく先頭に飛び出していくのに、何周かしたら一番後ろを歩いているという選手。

 

 

 

このような選手は、試合による緊張と気持ちが先走ってしまって、入りのペースが分からなくなってしまい、結果として、速く入りすぎてしまったことを一周した頃に気が付くことが考えられます。

 

 

 

しかし、そうなってしまってからではもう遅いのです。

 

 

 

なので試合前に、このペース感覚で行くということを身体に予行演習しておき、速く入りすぎて失速するといったミスを未然に防ぐ必要があります。

 

 

 

私のレースを見たことがある人は分かるかと思いますが、いつも私が先頭集団についていかないのも、事前に予行練習したペースに則ってレースを進めているためです。

 

 

 

なので、なにも考えずに流しをするのではなく、その流しは何のためにしているのか、

 

 

 

その流しはレースにつながっているのか、ということを考えて行うと良い流しができるのではないかと思います。

 

 

 

では、本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

 

 

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