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2020.02.06 Thursday

世界クラスの競歩選手のペーシングについての分析

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    今日は「世界クラスの競歩選手はどういったペースでレースをしているの?」ということを調査し、分析したB.Hanleyの論文(2013)についてご紹介します。

     


    対象は、世界選手権20kmWに出場した225人の男子選手と214人の女子選手に加え、50 kmWに出場した232人の男子選手で、5kmごとのラップタイムの変化を分析した模様。



    結果はというと、

     


    ■20km
    ・メダリストはネガティブペーシング(後半ペースアップする傾向)だった。
     ・下位選手は自己ベストのペースと比較して、より速いペースでスタートする傾向があり、後半でペースが大幅に落ちていた。

     


    ■50km
     ・すべての選手はフィニッシュに近づくにつれてペースダウンした
     ・比較的遅いスタートをし、その後ペースが上昇。ペースをしばらく維持した後、ペースが徐々に落ちた。
     ・下位選手はペースダウンのタイミングがより早い(30km付近)傾向があった。

     


    まず、20kmについては、メダリストはペースアップしていくのに対し、下位選手はペースダウンしてしまった、という部分には注目すべきですね。

     


    メダリストのような上位の選手は、持ちタイムと比較してレースタイムに余裕があることもあり、無理のないレースが好タイムに繋がっていたようです。

     

     

    逆に、下位の選手は「集団のペースに従い、そのペースを可能な限り長く維持しようとする」傾向があったようで、レースが上手くいかない原因の一つとして、序盤のオーバーペースが原因となっている可能性があります。

     


    集団の一員であることには、風の抵抗の減少や審査員の注意を逸らしたり、孤立することを回避することにおいてメリットがありますが、20kmで思うような記録や結果が出ない選手は、集団から離れ、自分のペースで刻むペース戦略を試してみる価値はありそうです。

     


    そして、具体的に「どのくらいのペースメイクが良いのか?」というと、

     

    自己ベストペースよりもわずかに遅い(自己ベストの約105%程度)のペースでネガティブペーシングを採用すること。


    と書かれており、これは、例えば自己ベストが1時間20分00秒の人は、5kmペースが20分00秒なので、「21分00秒(4分12秒/km)程度」で入り、ネガティブペーシングしていくと良いレースができる可能性が高いよー、ということになります。


    続いて、50kmについてですが、50kmは20kmとは少し異なり、

     

     

    ,罎辰り→▲據璽好▲奪廣0飮→ぅ據璽好瀬Ε

     

     

    という流れが一般的だったそう。

     


    上位選手は、おおよそ「30km〜40km」で最速ラップに到達しており、それまでにじわじわとペースアップする戦略を採用していた様子。

     

     

    また、下位選手ほどペースが早期に落ちてしまう(上記と逆のラップになりがち)、というのは納得できる部分でして、早々にペースダウンしてしまえば、距離の長い50kmでは後半への肉体的・心理的ダメージがより大きくなり、それがラップタイムの悪化と順位低下に繋がったと予想されます。

     


    ゆえに、レースに自信がない選手や経験の浅い選手は、ゆっくりとしたペースで入ったら、ペースアップを試みず、維持し続ける方がレースの失敗率を下げられそうです。(私のようになります)

     


    なので、50kmでは、30〜40km地点で最速ラップを刻めるような無理のないペース設定と、そのための持久的トレーニング、また序盤でのグリコーゲンの節約がポイントとなりそう。

     


    そして、本論文内の結論として、

     

    20kmでは、「高速でスタートし、ペースを維持する能力」が必要で、同様のペースのトレーニングがレースの準備に役立つ可能性がある。
     50kmでは、自己ベストのペースよりもゆっくりとスタートする手法が一般的。ただ、ペース戦略は個々の強さに基づいている必要がある。


    とのこと。個人的にこの論文からの受けた印象としては、

     


    どのレースも序盤は無理しない!

     


    ということでして、勝っている人ほどレース序盤に余裕を持っている可能性が高いです。

     


    また、20kmの具体的なアドバイスとして、「自己ベストの約105%程度のペースでネガティブペーシングを採用する」というものがありましたが、選手にとっては「かなり遅いなー」と思われる方も多いかと思います。

     


    ただ、それくらい余裕を持っても後半で巻き返せる可能性が高く、結局のところ、遅すぎるペースに我慢できずにペースアップしてしまうことが、レース失敗を招いている原因ではないかとみています

     


    私も、今月の神戸20kmでは、シーズンベスト(本来は自己ベスト)である1時間28分30秒ペースの105%にあたる「23分13秒」程度を最初の5kmの目安としてレースしてみたいと思います。

     

     

    では本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。

     

     

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